設立趣旨書
1.趣旨
近年、インターネットを活用してさまざまな商品を購入する消費者は増加の一途をたどっております。医薬品についても例外ではありません。インターネットの出現により、消費者は、限られた地域でのみ流通している伝統薬や、専門的な知識を持った薬剤師がいる薬局でこそ購入できる漢方薬も、24時間、全国どこからでも購入できるようになりつつあります。このような消費者のニーズに呼応するかのように、インターネットを活用して医薬品を販売する業者も、年々増加しております。しかしながら、利便性が高まる一方で、安全性の確保については手探りの状況が続いているのが現状です。インターネット上での医薬品販売における安全性確保の取り組みは販売業者によりまちまちであり、利用者がインターネット上で安心して医薬品を購入できる環境が整っているとは言い切れない側面もあります。
こうした現状のなか、われわれは、自らが薬剤師として、あるいは薬剤師を配する薬局・薬店として、これまでインターネットを活用した医薬品販売に従事し、購入者の安全性確保と利便性向上に取り組んできた実績と経験をもとに、任意団体「インターネット販売のあり方を考える薬局・薬店の会」(通称「ネット薬局の会」)を発足し、医薬品のインターネット販売のあり方を検討してまいりました。そしてこのたび、薬剤師としての専門知識や経験を生かしてこの取り組みの中核となりつつ、その輪を社会全体に広げていくため、NPO法人日本オンラインドラッグ協会を設立するものです。われわれはNPO法人としての活動を通して、消費者がインターネットを利用して安心・安全・便利に医薬品を購入できる環境を整備・維持し、広く公益の増進に貢献したいと考えております。
環境を整備・維持するために最も重要な活動は、インターネットを利用した医薬品の購入時の安全性を確保するための活動です。われわれは引き続き、インターネットを活用した医薬品販売のあり方を検討します。さらに、どのような方法で医薬品の販売を行えば消費者が安全に医薬品を購入できるかをまとめ、自主的なルールとして策定・実行・浸透させていきたいと考えております。そもそも医薬品は、安全性を確保するため、対面販売を原則とし、リスクの程度に応じた情報提供及び相談応需が必要であるといわれています。確かにインターネット上の店舗では、消費者が薬剤師と直接ふれあって医薬品を購入することはありません。しかしわれわれは、「消費者が購入する前に、その医薬品販売してもよいかを販売者が判断するためのアンケートを行う」ことをはじめとする自主規制・ガイドラインを策定し、オンラインで医薬品を販売するすべての薬局・薬店で実施することによって、対面販売の趣旨に沿うような、あるいはより高いレベルで消費者の健康状態や生活習慣など個別の事情を考慮した医薬品販売を実現することができると信じております。
環境を整備・維持するためにさらに必要な活動は、信頼性を高めるための活動です。われわれは、策定した自主規制・ガイドラインをもとに、インターネットを活用して医薬品を販売する薬局・薬店が一定の基準を満たしていることを保証する民間認証機構となりたいと考えています。その結果、われわれの認証を判断の材料に、消費者が、インターネットを利用して信頼できる薬局・薬店を選択し、安心して医薬品を購入できるようになると考えています。加えて、正規薬局・薬店と無許可・無認証の販売者との区別も明確となり、インターネットにおける医薬品の販売業者の秩序維持を図ることをも可能になります。
医薬品販売の安全性・信頼性を確保するためには、スピーディーな情報発信、透明性の高い情報の提供も欠かせません。様々なところから日々発信される情報を集積し、消費者が必要とする情報を早く簡単に入手できる場が必要です。われわれは、関係省庁、民間団体、製造業者などと連携を取りながら、医薬品・医薬品販売をめぐる情報の中核としての役割も担いたいと考えています。インターネット上で消費者との接点となり最前線にある我々がその場となることで、実効性の高いインフラとなり得ると信じております。
以上のように、われわれがNPO法人として、自主規制を策定・実施し、医薬品販売の安全性を確保するために啓発を行い、自ら問題提起をしていくことが、消費者が安心・安全・便利に医薬品等を購入できる環境を整備すること、すなわち公益の増進に貢献できると確信しております。さらに、将来に向けては、医薬品だけでなく健康食品、健康にかかわる商品全般にも取り組みを広げていきたいと考えております。周辺商品への取り組みには、NPO法人としての活動を通して培う経験・ノウハウが十二分に生かせると信じております。
なにとぞ、趣旨をご理解の上、ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
2.申請にいたるまでの経過
平成17年12月
インターネットを活用して医薬品を販売する薬局・薬店により、消費者の利便性と安全性を確保するための自主規制を策定する任意団体「インターネット販売のあり方を考える薬局・薬店の会」(通称「ネット薬局の会」)を発足。
平成18年 1月
安全性の確保を前提としつつ購入者の利便性に配慮した医薬品の販売方法として、新たな通信技術であるインターネットによる販売容認の検討を求める要望書を厚生労働省に提出。
平成18年 2月
インターネットを利用した医薬品等購入の環境整備をとおして消費者に対する社会的責任を果たすべく、特定非営利活動法人の設立に向け、準備会が発足し、設立総会の準備に入る。
平成18年 3月 1日
特定非営利活動法人 日本オンラインドラッグ協会
2011年01月 1日


設立趣旨書